(トップ画像)鳳凰古城:夜のライトアップ
イタリア、トルコ、韓国、台湾などの定番から、ルワンダのようなマイナーな国、バックパッカーに人気の東南アジアやインドまで、これまで数多くの国を回ってきた。
そのうえで、今私が「万人におすすめできる」と確信しているのが中国だ。
本稿では、中国旅行の魅力と実態、そして独特な「行くための準備」について解説する。
私の中国渡航歴 北京、上海、深セン、成都、西安、敦煌、昆明、長沙、桂林、鳳凰古城、張家界
よくある疑問:中国は危なくないのか?
「中国に行こうと思う」と言うと、決まって「危なくない?」「逮捕されない?」と返ってくる。 個人の感覚で語っても説得力がないため、外務省が発表している安全情報を見てみよう。
2025年2月現在
-
中国の大半: 白(危険情報なし。日本や西ヨーロッパと同レベル)
-
一部(ウイグル自治区など): 黄色(注意が必要。フィリピン、エジプトと同レベル)
友人がヨーロッパ旅行へ行く際、「危ないからやめろ」と止めるだろうか? 実際に行ってみた身としては、都市部は日本の繁華街よりも安全だと感じた。
理由は単純、至る所に監視カメラがあるからだ。
空港に降り立てば笑ってしまうほどの大量のカメラが出迎え、街中はもちろん、道路にも一定間隔でピカピカと光るカメラ(オービスのようなもの)が設置されている。「あれだけ監視されていたら、悪いことをする気も起きない」というのが正直な感想だ。
「監視されていて怖い」という意見について
「見られても困らないように過ごせばいい」に尽きる。 日本と同じようにルールを守って行動すればいいだけだ。逆に、食い逃げや暴力、不法投棄などを常習的に行う人間でない限り、過度に気を使う必要はない。
言葉の壁:英語も中国語も話せなくていい
「言葉が通じるか不安」という声も多い。 実情として、英語はほぼ通じない。都市部の若者ならまだしも、街中の人には「ハロー」さえ通じないと思った方がいい。
しかし、心配は無用だ。私は「ニーハオ」と「シェーシェー」しか知らずに1ヶ月旅行したが、全く問題なかった。
-
自動化の恩恵: 中国の自動化は日本以上に進んでおり、そもそも店員と話す必要がほぼない。
-
人柄: 中国人は西洋人と比較して、メンタリティが日本人に近い。言葉が通じないと分かれば翻訳アプリを出してくれるし、身振り手振りから意図を汲み取ろうとしてくれる。
中国旅行のメリット
1. 物価の安さ(2025年渡航時)
北京:北京ダック
-
北京ダック専門店: テーブル占領で約3,000円
-
リッツカールトン(成都): 1泊約3万円
-
水(500ml): 約20円
-
タクシー: 空港まで乗っても1,000円台
2. 観光ポテンシャルの高さ
成都:黄龍
成都:火鍋
万里の長城、兵馬俑、武陵源、黄龍などの世界遺産に加え、北京ダック、ビャンビャン麺、四川料理といった食文化も極めて豊かだ。
3. アクセスの良さ
深セン:深セン北駅
日本各地から直行便が出ており、欧州より圧倒的に安価。 国内には採算度外視で新幹線網が張り巡らされており、主要観光地へ容易にアクセスできる。価格も「北京→西安(約1100km/東京〜鹿児島間に相当)」で1万円程度。
4. 完全なキャッシュレス
深セン:深センの安宿のコインランドリー。QR決済が使える。
安宿のコインランドリーから道端の屋台まで、QR決済が使える。台湾や東南アジアの屋台で感じる「現金の煩わしさ」が存在しない。
中国旅行のハードルと必須の準備
中国旅行は強くおすすめできるが、唯一の難点は「特別な準備」が必要なこと**だ。
中国には「グレート・ファイアウォール」が存在し、Googleなど日本で日常的に使うサービスが遮断されている。また、日本や西洋諸国とは異なる独自のシステム圏(QR決済経済圏)が存在する。 Googleマップなしで日本観光が難しいのと同様、事前のツール準備がなければ中国旅行は詰む。
1. パスポートとビザ
-
パスポート: 入国時に残存期間が最低6ヶ月は必要。1年程度あれば無難。
- 注意: 新幹線乗車時や観光地への入場時、空港並みのセキュリティチェック(パスポートスキャン、荷物検査)がある。常時携帯すること。
-
ビザ: 2026年12月31日(北京時間24時)まで、30日以内の観光はビザ免除となっている。
- 注: 渡航時点で、必ず中国駐日本国大使館の最新情報を確認してほしい。
2. 通信・決済・予約ツール
ネット利用が前提となっており、現地窓口が見当たらないこともある。また窓口では翻訳アプリで対応してくれはするが時間がかかるため、以下のツールは必須。
-
通信 (VPN/eSIM): Surfshark など(Googleなどを使うため)
-
送金・決済準備: Wise(ネット決済)
-
ホテル・新幹線予約: Trip.com
-
地図: 百度(バイドゥ)地図(Googleマップは使い物にならない)
-
タクシー: DiDi(またはAlipay内のミニアプリ)
他の海外旅行にも共通するVPNやWiseなどについてはこちらの記事を参照。
3. 決済(Alipay / WeChat Pay)
現金を使っている人はほぼいない。 これがないと中国旅行はどうにもならない。 クレジットカードをアプリに紐づけられるので、事前のチャージは不要。メルカード(JCB)でさえAlipayに紐づけできたので大抵のカードならいけるはず。先述のWiseが万人向け。
どちらも使ってみたがAlipayの方がシンプルで使いやすく感じた。
Alipayの手数料は200元(20円/元として4000円ほど)未満は無料、それ以上は3%となる。これとは別にカードの手数料もかかる。
実物店舗で200元を超えることはほぼないが、仮にそれを超える場合はカードも使えることが多いため、そちらでの決済をお勧めする。
- WeChat (微信): メッセージアプリだが、安宿での連絡(到着時間やWi-Fiパスワードの共有)に使われることが多い。念のため入れておくとスムーズだ。
最後に:重要な注意事項
2026年2月現在、報道上、日中関係は緊張状態にあるように見える。 直ちに身の危険があるかと言えば、個人的にはNOに思っている。中国国内で「日本観光は危険」と報道され訪日客が減ったとしても、実際に日本で中国人が危険な目に合う可能性が低いのと同じ理屈だ。
ただし、以下の点は厳守してほしい。
-
スパイ容疑を避ける: 軍事施設、警察、デモなどの写真は絶対に撮らない。
-
行動は慎重に: 現地の人との深い交流も旅の醍醐味だが、情勢を鑑み、単なる観光に徹したほうが安全だ。
-
モバイルバッテリーの制限(重要):
-
中国の国内線では、特定の認証マーク(3C認証)がないモバイルバッテリーは保安検査で没収される。
-
航空機内での発火事故を受けた措置で、かなり厳しい。私はこれで没収された。
-
国際線(東京→北京)は問題ないが、国内線(北京→成都など)で引っかかる。国内移動は新幹線の利用が無難だ。
-
先述の外務省安全情報に中国旅行中の注意点も記載されている。
準備さえ整えれば、中国は驚くほど快適で刺激的な旅先だ。 食わず嫌いせず、ぜひ一度訪れてみてほしい。