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【医師の婚活戦略】恋愛経験ゼロの合理主義者がデータで導く最適解

私事だが、近々婚約しそうだ。

他の記事を見てもらえばわかる通り、私はどちらかというと合理的な人間であり、感情面の取り扱いを苦手としている(人並みの感情はあると思っているが)。

容姿が格別に良いわけでもなく、人と積極的に関わりたくないためこちらから誰かにアクセスするわけでもなく、女性受けしづらい性格なのもあり、彼女が初めての交際相手だ。

いわゆる「恋愛弱者」というやつである。その立場で、なぜそもそも結婚したいと思ったのか、そして現在に至るまでに取った戦略を紹介する。


なぜ結婚したいと思ったのか?#

理由は大きく2つある。

1. 結婚や子育てというイベントへの興味

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別記事で述べたように、私の最大の目的は「人生における思い出を最大化し、死ぬ瞬間に後悔なく楽しかったと思えること」だ。

人生の満足度を最大化する:「インドアの娯楽」

恋愛、結婚、子育てというイベントは様々な題材で取り上げられており、私も楽しめる可能性がある。実際に経験できるかは別として、チャレンジさえしなければ確実に後悔すると思った。

2. 死ぬまで1人で生きていく自信がない

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身体が自由に動き、やりたいことがたくさんあるうちはいい。しかし、年齢により身体が動かなくなったり、やりたいことが枯渇した時に自分がどう感じるかは分からない。

医師として80代や90代の患者さんと日常的に接している。介護施設などでは、孫やひ孫の写真や手紙でベッド周りが飾られている人もいれば、何もない人もいる。本人がどう感じているかは分からないし、どちらが良いかという正解もない。

私は1人でアフリカや山奥、遊園地、お化け屋敷にも平気で行ける程度の孤独耐性を持つ。それでも自分がどうありたいかを考えた時に、数年単位という時間を1人で過ごす自信がなかった。

この2つの理由を見て読者がどう感じるかは分からないが、ぜひ自分自身の将来を老後まで含めて考えてみてほしい。


想定読者#

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  • 男性

  • 20代〜30代前半

  • 恋愛経験に乏しい、あるいはゼロ

  • どちらかというと合理的

  • あるいは、上記男性の考えていることを知りたい人

感情や情熱を主軸としている人は不快に感じる可能性があるため、ブラウザバックを推奨する。


本記事の流れ#

世の中には婚活情報が溢れているため大枠は他に譲り、私なりの考えを「戦略」「実践」「価値観」の3記事に分けて紹介していく。

本記事は「戦略」について述べる。

  1. どこで戦うか?

  2. どれぐらいの難易度か?

  3. 成功者はどんな戦略をとっていたか?

  4. 自分はどんな戦略をとるか?

細かい数字の話が多いため、退屈に感じる方は「実践」の記事からよむことをおすすめする。


1. どこで戦うか?#

私はマッチングアプリ、街コン、結婚相談所を使用した。それぞれの概要と所感は以下の通りだ。

マッチングアプリ#

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  • メリット: 母集団が多く、田舎でもマッチングしやすい。会う際の時間設定(40分など)がないため、少しずつコミュニケーションの訓練を積むのに最適。

  • デメリット: 競争相手が多い。会うまで相手の顔が分からないケースがあり、遠方まで足を運ぶ心理的ハードルが高い(地理的制約)。田舎だと相手の性質が偏りやすい。詐欺など一部悪質なユーザーも混ざる。

街コン#

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  • メリット: 多くの人と実際に会える。会話自体は短時間なので気楽。

  • デメリット: 競争相手が多い。時間の自由度が低い。

結婚相談所#

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  • メリット: 他媒体と明らかに層が異なり、高学歴や令嬢的な人が多い。

  • デメリット: 母集団が少ない。最初の見合い時間が決められており、初期の訓練場としてはハードルが高い。

結婚相談所は必要か?#

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私は最初から結婚相談所を利用したが、結果としてその必要性は薄かったように感じている。

  • 年齢の壁: 20代は少なく、特に地方においては総数が少ない。男性の場合、給与や需要の面から30代前半の方が有利になり得るため、20代で入会する意義は乏しいかもしれない。

  • メンタルケアが主目的: 活動中に不安定になる会員を精神的にケアする役割が大きく、自分で考えて行動できる人には価値が薄い。このブログを読んでいる層には不要だろう。

  • 訓練はアプリで: 仮に相談所に入るにしても、先にアプリで数ヶ月訓練を積んでからのほうが効率が良い。

それでも相談所を利用する最大のメリットは、会員の属性がアプリ等とは全く違うことだ。会話のテンポ、価値観、金銭感覚などは合いやすいかもしれない。どうしても今すぐ結婚したくて、多様な属性の人と会ってみたい場合は、20代でも入る価値はある。

具体的なおすすめ#

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アプリ

コミュニケーションの訓練として基本的には使用を勧める。恋活・婚活に限らず有用だ。

  • Pairs: 使用者数が圧倒的。迷ったらこれのみでも良い。

  • Omiai: 真剣な人が多く、マッチング率が高めに感じた。

街コン

じっくり1対1で話せるアプリの方が有用に感じるが、一度に多くの人と会えるため、何度か足を運んでみるのはあり。

結婚相談所

20代で入るなら総数の観点から「IBJ」系列を推奨。可能なら「TMS」を含むとなお良い。自力で戦略を練れるなら、サポートなしで検索機能のみ使える安価なところでも十分かもしれない。

サポートに関しては「ナレソメ」はシステム的アプローチを提供しているようだ。私は面談のみで実際に利用はしてないので何とも言えないが、興味がわけば面談をしてみてもいいかもしれない。

Youtube:ナレソメ独自の相性診断の一部を無料公開します!!


2. どれぐらいの難易度か?#

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婚活は、不動産などと同じくネット上にノイズが多い領域だ。情報を取捨選択するために、ガバガバな計算でも良いので、自分なりにざっくりとした見積もりを出すことには意義がある。

交際に至るには、次の2条件を満たす必要がある。

  • A. こちらが相手の容姿・条件(すぐ分かる部分)や性格・価値観(時間がかかる部分)を良いと思う

  • B. 相手も同様に思う

A. こちらが良いと思う確率(許容率)#

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私は交際経験がゼロで、人との関わり自体があまり好きではなかったため、自分の好みが不明だった。

好みが分からない代わりに、「あらゆる側面を総合して自分に合うかどうか考えた場合、上位何%の相手と交際したいか?」を考えた。 1%なら学年でトップ、5%ならクラスでトップに合う相手、といった具合だ。これを**許容率 A(%)**とする。

ここで「秘書問題(お見合い問題)」を用いて検討してみる。

高校数学の美しい物語:秘書問題(お見合い問題)とその解法

100/A 人のうち、最初の 37/A 人をスルーし、それ以降で「これまでで最も良い相手」を選ぶと、全体で最適な相手と遭遇する確率が最大(約35%)になる。

しかし、これでは失敗確率が約65%もある。失敗確率を5%未満にするには7サイクル、つまり合計 700/A 人の母集団が必要となる。単純計算であり妥当かは不明だが、おおよそのイメージとして捉えてほしい。

B. 相手に良いと思われる確率(受諾率)#

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ランダムに抽出した女性100人にアクセスした場合、何人がOKしてくれるだろうか? 自身の容姿・条件(すぐ分かる部分)による確率は、アプリを使うことで推測できる。とりあえず女性100人に「いいね」を送ってみてほしい。そのマッチング率が受諾率 B(%)の見積もりとなる。

A・Bを踏まえたアクセス必要数#

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上記を組み合わせると、70000/AB 人にアクセスする必要がある。 例えば、学年で1人レベル(A=1%)の許容率で、受諾率(B=10%)なら、7000人が必要だ。

このAとBはトレードオフの関係にある。 最初に「いいね」を送る段階で容姿などでスクリーニングすれば、許容率Aは上昇する(ランダムな女性の上位5%と、好みの容姿の女性の上位20%が同等、という感覚)。しかし、選り好みをしているため、当然受諾率Bは低下する。このバランスを探る必要がある。

例えば、容姿の条件をつけた上でストライクゾーンを広げ(A=20%)、受諾率(B=1%)に落ちたなら、必要数は3500人となる。

自分の求める条件(必要人数)が、その地域や相談所に存在するかどうかは検索すればすぐに分かる。目標が実現可能かは、客観的な数値から判断できるはずだ。

※留意点として、婚活は秘書問題と異なり、正式な交際関係になるまでは複数人と同時に会うことができる。そのため、実際の難易度はこの計算より低くなると思われる。


3. 成功者はどんな戦略をとっていたか?#

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アプリよりも本気度が高くノイズが少ない相談所のデータを参考にする。

IBJ:成婚白書 2024年度版

成婚した男性の中央値は以下の通りだ。

  • お見合い申し込み(自分から):51件

  • お見合い申し込み(相手から):36件

  • お見合い成立:12件

  • 交際:5件

このデータから推測する。 受諾率Bを最大に見積もり、成立(12件)がすべて自分からの申し込み(51件)だったと仮定すると、Bは約20%。 実際に会ったのが12人で、成婚に至る許容率Aを約10%とすると、母集団は約350人必要になる。

非常に乱暴な計算だが、これが一般的な成婚者の戦略イメージだ。

  • 受諾率 B: 20%の人にお見合いOKをもらえ、かつ350人以上の規模がある層をターゲットにする。

  • 許容率 A: ターゲットのうち、10人に1人(クラスに2人)くらいの希少さで合う相手かを判断する。


4. 自分はどんな戦略をとるか?#

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端的に言えば、AとBをどこまで調整できるか考え、足りない分は「アクセス数」を増やすことでカバーする。

  • 許容率 A: 誰とでも馴染める性格なら大きく設定できる。その分、受諾率が低い層を狙うことも可能だ。私の場合はクセが強いため、クラスから学年に1人レベル(A=3%)が少なくとも必要だと見積もった。

  • 受諾率 B: 「自分を改善させる」か「相手のターゲット幅を広げる」の2択になる。自分自身の改善については次回記事で述べる。

相手のターゲット幅を広げる(スクリーニング)#

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「誰でもいい」わけではない。20歳も年が離れた相手を交際相手とするのは現実的に難しいし、容姿、年収、仕事、地域の好みもあるだろう。 参考までに、私は以下の条件で絞り込んだ。

  • 年齢: 婚活の目的が「老後の孤独回避」である以上、できれば私の方が先に天寿を全うしたい(完全にエゴだが)。平均余命を調べた結果、同等の余命になるのが「7歳上」の女性だったため、ひとまずターゲットを「上下7歳」に設定した。

  • 容姿: 写真と実物はそこそこ違うため、あまりアテにならない。アプリに至っては後ろ姿や風景写真も多い。逆に言えば、写真の時点で全くピンと来ないなら実物でも難しいだろう。ここは自分ではどうしようもない部分なので、正直になって良いと思う。

相談所、街コン、アプリ全てにおいて、この2点でスクリーニングを行った。該当数が膨大になる領域では、年齢をより厳密にしたり、片道数時間で行ける地域に絞ったりして、ターゲット総数が適切になるよう調整した。

私の最終的な行動計画#

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色々と対策を打った上で、媒体にもよるが私の受諾率(B)はおよそ15%のイメージだった。以上を踏まえると、私に必要な総行動量は以下のようになる。

  • 約1600人にアクセスし、240人の受諾を予想

  • 最低でも80人、最悪240人に会う

海外旅行の予定もあったため、できれば3ヶ月程度で婚活を終わらせたいと考えた。具体的な行動ペースはこうだ。

  • 1日18人にアクセスし、3人が受諾

  • アプリ等でメッセージを絞るにせよ、週に5人以上に会う

  • これを1ヶ月〜3ヶ月継続する

結論から言うと、通常の仕事を並行しながらではどう考えても無理だ。

私はフリーランスであり勤務の自由度が高かったため、婚活のために休業することにした。

医師3年目、専門医を持たずにフリーランスになる道は「アリ」か?

次回は、この戦略を元に実際にどう動いたかという「実践編」について述べる。

【医師の婚活戦略】恋愛経験ゼロの合理主義者がデータで導く最適解(実践編:1ヶ月の行動ログ)

【医師の婚活戦略】恋愛経験ゼロの合理主義者がデータで導く最適解
https://freelance-dr-log.com/posts/life-love-1/
作者
S Nishi
公開日
2026-03-27
ライセンス
CC BY-NC-SA 4.0