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はじめに
私はインデックス積立以外の投資は労力に見合わないと考えているが、「市場という巨大なパズルを理解する労力」そのものを娯楽として楽しめるなら話は別だ。 ここでは、投資・投機に関連する媒体を紹介する。
また、書籍リンクはBOOK☆WALKER>Kindle>Amazonの優先順位としている。
市場と人間心理の相互作用を知る

ウォール街のランダム・ウォーカー
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概要: 効率的市場仮説を過去の事例から説明する定番の書。
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読み方のコツ: 半ば辞書のような本。頭から全部読むといつの間にか寝ているため非推奨。「ランダム・ウォークって何?」という状態なら第1部に目を通し、あとは目次から興味のある部分をつまみ食いすればいい。第4部には具体的な行動方針が書かれている。
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所感: この本だけで納得して「インデックス投資」という結論に至れる人なら、それで全く問題ない。納得できない場合は、以降の本も読んでみるといい。
投資で一番大切な20の教え
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概要: 投資における心得がまとめられた薄めの本。
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読み方のコツ: 手元に1冊置いておき、定期的に読み返す。
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所感: 正直なところ、初めて読んだ時は「当たり前のことが書いてあるつまらない本」だと思っていた。しかし、市場で経験を積むごとにその言葉の「深さ」を感じられるようになるスルメのような名著。
ファスト&スロー
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概要: 行動経済学をわかりやすくまとめた本。
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得られる視点: 市場は理論(効率的市場仮説)だけで動いているわけではなく、人間の感情による「うねり」がある。それを観察・理解するための基礎となる。
群衆の智慧
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概要: 個々のミクロな選択が、どのように全体へ反映されるかを説く本。以前は電子書籍があったが残念ながら現在は終売となっている。
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得られる視点: 効率的市場が「どのように形作られているか」を理解できる。逆に言えば、どのような前提条件が揃えば市場に「偏り(歪み)」が生じるのかを考えるベースになる。
Adaptive Markets 適応的市場仮説―危機の時代の金融常識
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概要: 市場を「進化生物学」の観点から捉え直す本。
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読み方のコツ: 全体的にまとまりが悪く長く、非常に読みづらいため「つまみ読み」を強く推奨。
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得られる視点: 市場にどのような個体が存在し、環境と相互作用しながら効率性が形作られていくのか、そのダイナミズムを理解するのに役立つ。
俯瞰的な視野と歴史観を持つ

世界秩序の変化に対処するための原則 なぜ国家は興亡するのか
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概要: レイ・ダリオによる、国家の盛衰と経済のサイクルを説く本。
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得られる視点: 金融市場の参加者は忘れやすく、人間の人生レベルの期間を「長期」と錯覚しがちだ。本書は数百年レベルの世界スパンでの視野を提供する。投資の小技には役立たないが、金融資産以外も含めた「人生全体のリスクヘッジ」の重要性を痛感させられる。
21世紀の資本
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概要: トマ・ピケティによる、資本主義の不平等を歴史的データから読み解く本。
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得られる視点: 前述のレイ・ダリオの本が国家の変動を見るのに対し、こちらは労働者と資本家の間の圧力、すなわち「世界の変動の原動力」を捉えるのに役立つ。日々のニュースの小さな動きが、歴史的な大きな動きにつながり得るという危機感を感覚的に得られる。
戦略とプロの思考を覗く

ライフサイクル投資術
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概要: 効率的市場仮説をもとに、「人的資本(将来所得)」も含めて投資戦略を考えることを提案する本。
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所感: 若いうちにレバレッジをかけるという戦略を実際に採用するかは別として、人的資本を組み込む考え方は有益。ただし、大抵の人は理論は理解できても、精神的なリスク許容度の観点から採用はできないだろう。
新マーケットの魔術師
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概要: 相場の世界で結果を出しているトッププロたちへのインタビュー集。
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得られる視点: プロがどんな狂気と情熱を持った人たちで、何を考えているのかを理解できる。「自分が市場で勝とうとするなら、この化物たちを相手にしなければならない」という現実を踏まえ、どう戦うべきかを考えるきっかけになる。
欲望と幻想の市場―伝説の投機王 リバモア
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概要: かつて投機の世界で莫大な富を築き、そして破産したリバモアの伝記的小説。
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得られる視点: 今ほど効率的でなかった市場において、彼がどのように市場の裏をかいていたのか。これを踏まえ、現代の市場において何がすでに織り込まれており、何が有効な戦略になり得るかを考える材料になる。
上昇株で勝つ
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概要: 煽り文句のような書名だが、中身は地に足のついた投資手法の解説。
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所感: 個別銘柄にはROEやPERなど様々な指標があるが、この書籍の基準をもとに「どう銘柄をスクリーニング(選別)するか」を具体的に検討できる。
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個別銘柄の分析はマネックス証券の「銘柄スカウター」が便利だ。当然、これで分かる情報はすでに市場に織り込まれているが、市場がどのような情報を織り込んでいるかを理解する助けになる。
大投資家ジム・ロジャースが語る商品の時代
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概要: 農産物や金属など、コモディティ(商品)それぞれの特性についてわかりやすくまとめた書籍。
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所感: これを読んだあと、各種コモディティの値動きを観察してみると非常に面白い。ただし、基本的にコモディティは値動きが極端なため、投資に慣れるまでは手を出すことはすすめない。
個人のリアルな思考に触れる(ブログ)

三菱サラリーマンが株式投資でセミリタイア目指してみた
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概要: いわゆるFIRE系のブログだが地に足がついており、アフィリエイト的な煽りが少ない。
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得られる視点: 論理的には税金分劣後する高配当株をなぜ選好するかなどを明確に打ち出しており、自分の性格とあった手法選択をするためのモデルケースとなる。
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所感: 投資部分に関してもわかりやすくまとまっている。精神的な記事や日常的な記事も多いため、コアのみ読みたい場合は同著者の『シンFIRE論』の投資の章あたりも読んでみるといいかもしれない。とはいえ、『投資で一番大切な20の教え』しかり、投資においては自分の精神コントロールも重要なため、ブログ全体に目を通す価値はある。
グローバルマクロ・リサーチ・インスティチュート
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概要: マクロに主眼を置いた硬派なブログ。投資界の世界的大物がどんな言説をしているか、マクロデータ、著者個人の意見などを紹介している。
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所感: 全体的に断定口調で多様なデータも示されているため信じ込んでしまいそうになるが、あくまで著者個人の意見であり「投資は自己責任」だ。自分なりに投資の軸ができてから読んだほうが安全かもしれない。
まとめ

さまざまな投資関連媒体を読んできた中で、比較的多くの人に役立ち、面白いと思われそうなものをまとめた。
とはいえ、実際に自分でさまざまな領域の投資商品を触ってみて、多様な戦略を試し、相場やニュースで「自分の精神がどのように変化するか」を観察・調整すること。そして、自分なりの手法を選び、それが実際に相場でどう機能するのかフィードバックを得ることこそが、投資の楽しみのメインである。
私自身としては現在以下のような考えを持っており、一時的に他にやりたいことが多いため相場からは離れている。ただ、気が向けば趣味の範囲でまた手を出すだろう。