医師が自分と家族にすすめる検診:受ける検査と、あえて受けない検査

ヒヨコの医師が、片方の翼に内視鏡とエコーの道具を抱え、もう片方の翼を大きな筒形のMRI装置へ向けて手のひらを立て、にこやかに首を横に振っている

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目次
  1. 結論
  2. 歯と目も定期的に
  3. 40歳からはカメラも
  4. お腹はエコー、胸はレントゲン
  5. 女性は乳房と子宮の検診も
  6. 脳ドックなどは自分で決める
  7. 腫瘍マーカーは他の検査をしてから
  8. 見つかった後で選ぶ

「定期的に受ける検査は、何をどこまで受ければいいんだろう?」

健診の案内や、人間ドックの申し込みを前に、迷う人は多いと思います。

前の記事では、タバコやワクチン、毎日の習慣など、自分でやることを書きました。

この記事では、その続きとして、定期的に受ける検査で何を受け、何をあえて受けないかを書きます。

あくまで私個人の考えです。健康な人向けの参考で、通院中の方は主治医の意見が優先です。

結論

定期の検査は、確実に受けたほうがいいものから始め、脳ドックや甲状腺は、見つかった後まで考えて決めてください。

まず、歯と目やカメラなど、受けておく検査を書きます。そのあと、受けるかどうかを自分で決める検査を書きます。

歯と目も定期的に

ヒヨコの医師が歯科の診察台で口を大きく開け、歯科医の小鳥が小さな鏡とライトで口の中を点検している

まず歯は、3〜4か月に1回の定期検診で、クリーニングしてもらっておくのがおすすめです。長生きのためというより、生活の満足度のためです。歯を保てば、年を取ってもずっとおいしく食事ができます。

ヒヨコの医師が、きれいに並んだ歯の模型と、でこぼこに並んだ歯の模型を両手に持って見比べている

そのためには、虫歯にしないことがいちばん大事です。

歯並びがでこぼこだと磨き残しが出やすいので、できれば一度、矯正で整えておくのも手です。見た目がよくなるのもおまけとしてあります。

ヒヨコの医師が、眼科の検査機器のあご台に顔を乗せ、反対側から色違いの小鳥の医師に片目をのぞき込まれている

眼科は、私は目にレンズを入れる手術をしたので、年に1回くらい定期的に検診を受けています。

緑内障などは気づかないうちに進んでいたりするので、ほかの人も定期的に受けておいて損はありません。

ただ、歯科のクリーニングのような検診だけの受診が、眼科でできるのかは正直よく分かりません。できるなら、受けておいてもいいと思います。

40歳からはカメラも

ヒヨコの医師が、くねくねと曲がった大腸の模型の中にある小さな丸いポリープを、細長い内視鏡の先で指し示している

次に、40歳を過ぎたら受けたいのがカメラで、まずは大腸カメラです。

大腸にはポリープがときどきでき、その一部はがんになることがあります。ポリープは一度取って終わりではなく、また出てくることもあります。

なので、一度受けてみて、その後は担当の医師の指示に従って、定期的に受けるのがおすすめです。私も、40代になったら受けるつもりです。

ヒヨコの医師が、机の上の食道から胃へつながる大きな模型の前に立ち、両手で持った細い内視鏡の先を模型の上の入り口へ差し入れている

胃カメラは、ピロリ菌がいないと分かれば、頻繁に受けなくてもいいかもしれません。ピロリ菌がいなければ、胃がんになる頻度は高くないからです。

ただ、胃カメラでは、食道やのどのがんが見つかることもあります。見つけるのは難しく運次第ですが、大腸カメラを受けるなら、ついでに受けてしまうのも手です。

ヒヨコの医師が、白いバリウムの入った紙コップを机の端へそっと押しやり、細い内視鏡を手に取ってうなずいている

胃の検査には、バリウムもあります。ただ正直、バリウムは過去の遺物で、バリウムしか受けないのなら、受けなくてもいいとすら思っています。

バリウムで分かる胃がんは、ある程度進んだものが中心です。胃カメラなら、内視鏡だけで治療できるような早いがんも見つけられますし、食道などほかの所も同時に見られます。

せっかく受けるなら、バリウムより胃カメラです。

お腹はエコー、胸はレントゲン

ヒヨコの医師が、診察台に横になった小鳥のお腹にエコーを当て、モニターに映る丸い影を落ち着いて眺めている

続いて、画像の検査です。個人的には、お腹はエコー、胸はレントゲンを撮るくらいでいいと考えています。

お腹にはいろいろな臓器がありますが、見たいものはだいたいエコーで見えます。

唯一、膵臓は見えづらいです。

ただ、膵臓は詳しく検査しても、悪いものがあるかどうか分かりにくいところです。なので今のところは、もし何かあっても、運が悪かったと思うしかないと考えています。

ヒヨコの医師が、光る板に貼った胸のレントゲンの影絵の前に立ち、肋骨の影を指でなぞりながら目を細めている

一方、胸の中の肺は、エコーでは見ることができません。なので、ほかの検査でカバーする必要があります。

個人的には、肺はレントゲンで十分だと思います。大きいがんなら、ちゃんと写ります。

ヒヨコの医師が、ドーナツ形のCTの機械の横で、胸の影が映ったモニターを指さしながら、肩の力を抜いて穏やかに笑っている

ただ、胸のCTを撮っても悪くはありません。レントゲンでは小さなものは写りにくく、心臓や骨の影に重なって見逃すこともあります。CTなら、そうした見逃しがなく一目瞭然です。

一方で、全然悪くない小さなものまで一緒に見つかることもあります。ただ、それも、何か月後かにもう一度検査して変わりがなければ大丈夫、といった流れがだいたい決まっています。

なので、仮に何か見つかっても、心理的な負担はそれほど大きくないはずです。見つけるメリットのほうが勝る、という考え方もありだと思います。

ヒヨコの医師が、CTの台に横になった色違いの小鳥の胸からお腹へ、光の帯がゆっくり通り過ぎていくのを、腕を組んでのんびり見守っている

胸のCTを撮るなら、そのまま下まで撮れば、お腹のCTも撮れます。それをやってもいいですが、お腹はエコーでだいたい見えているので、そこまでするかは好みです。

女性は乳房と子宮の検診も

ヒヨコの医師が、乳房の検査に使う大きな機械の横に立ち、桃色の小鳥に機械の使い方を穏やかに説明している

女性なら、乳がんのマンモグラフィーに加えて、子宮の検診も大事です。子宮頸がんのワクチンを打っていても、原因になるウイルスを、すべて防げるわけではないからです。

ヒヨコの医師が、婦人科の待合室の長椅子で、少し緊張した桃色の小鳥の隣に座り、穏やかな顔で話しかけている

子宮頸がん検診は、20歳を過ぎたら定期的に受けるのがおすすめです。早めに見つかれば、子宮の入り口の表面を切り取るだけで治ることも多く、受けるメリットはかなり大きいです。

ヒヨコの医師が、婦人科の診察室でエコーの機械のモニターを指さし、桃色の小鳥に映った丸い影を穏やかに説明している

子宮体がんの検診は、子宮頸がんほど効果がはっきりしていません。ただ、子宮頸がん検診のついでなら、受けてもいいと思っています。

婦人科の先生によると、内診(手で触って調べる診察)だけでは、ベテランの先生でも分かりにくいことがあるそうです。

内診で問題ないと言われたのに、エコーで大きな卵巣がんが見つかったこともあると聞きました。

子宮頸がん検診を受けるなら、手間は大して変わらないので、エコーも付けておくといいです。

脳ドックなどは自分で決める

ヒヨコの医師が、大きな筒形のMRI装置の前で立ち止まり、入るかどうか迷うように腕を組んで考え込んでいる

最後に、脳ドックと甲状腺の検査は、受けるかどうかを自分で決めてください。どちらがいいとは、私からは言い切れないからです。

白衣のヒヨコの医師が、薄暗い読影室で指導医の色違いの小鳥と並んで、脳の断面が映るモニターを見ながらレポートの下書きを書いている

放射線科で研修していた頃、脳ドックを受けた人の画像を指導医と一緒に見て、診断のレポートの下書きも書いていました。

そこで思ったのは、頭の血管に小さな動脈瘤がある人は、意外と多いということです。

検診を受けに来ている以上、数ミリほどの本当に小さなものでも、あれば報告します。実際にそこにあるからです。

ただ、数ミリの動脈瘤は治療の対象になる大きさではないので、ほぼ経過観察になります。

色違いの小鳥が導火線の付いた丸い爆弾を頭に乗せたまま不安げに歩き、ヒヨコの医師が隣で心配そうに見守っている

もし自分が、念のため、安心のためにと脳ドックを受けて、数ミリの動脈瘤が見つかったとします。「まだ小さいので、治療の対象ではなく経過観察です」と言われるでしょう。

このサイズなら、おそらく何も悪さをせず、そのまま一生を終える可能性が高いでしょう。それでも、検査したばかりに「頭に爆弾を抱えている」と思いながら暮らす心理的な負担は、結構大きいはずです。

ヒヨコの医師が、片側に小さな丸い爆弾、もう片側に穏やかな顔のハートを載せた天秤の前で、首をかしげて考え込んでいる

もちろん、大きな動脈瘤が見つかって、受けてよかったということもあります。ただ、リスクとベネフィットを比べると、正直微妙なラインです。

私自身も、受けるかどうかは悩んでいます。ここは、個人の価値観で決めるしかありません。

ヒヨコの医師が、のど元に小さな丸い影のある小鳥の隣に座り、机の上の砂時計をのんびり眺めて、急がずに様子を見ている

甲状腺は喉にある臓器で、ここも似たような話です。

甲状腺はがんができることが結構多いのですが、悪性度が低いことも多いです。検査しなければ、一生悪さをせず、ただそこにあるだけだったかもしれません。

何か見つかれば、針で細胞を取って、本当に悪いものかを調べることもあります。その結果、がんと分かっても、悪性度の低いがんなら、手術のメリットとデメリットを比べて、経過観察になることがあります。手術には副作用もあるからです。

ヒヨコの医師が、両手のひらを上に向けて左右の重さを比べるしぐさをしながら、困ったように小さく笑っている

ただ患者さんからすると、「がんがあるのに経過観察されている」と思いながら暮らすのは、たまったものではないと思います。

もちろん、悪いものなら切除しないと広がるので、検査していてよかったということもあります。

ただ、脳ドックと同じくメリットデメリットが拮抗していて、これも自分で判断するしかないと考えています。

腫瘍マーカーは他の検査をしてから

ヒヨコの医師が、何も入っていない箱の上で赤い警報ランプが急に光り出し、驚いて胸を押さえている

最後に腫瘍マーカーについて。採血でいろいろなものを調べられますが、個人的には受けなくてもいいと考えています。

本来は、画像の検査やカメラで何か見つかった後に、確認として使う検査です。最初から腫瘍マーカーで探す意味は、あまりありません。

偽陽性(何もないのに異常値が出ること)もあるので、心の平穏が乱れるくらいなら、受けなくて構いません。ここまでに書いた検査のほうが優先で、誰にでもすすめられます。

見つかった後で選ぶ

ヒヨコの医師が、健診の受付の前で、採血の小さな管と胸のレントゲンの影絵を載せたトレーを受け取り、落ち着いた顔で列に並んでいる

ここまでをまとめると、私が検査を選ぶ基準は、見つかった後にどうするかが決まっているかどうかです。

歯と目、カメラ、エコーやレントゲン、女性の検診は、見つかれば治すか、決まった流れで様子を見れば済みます。脳ドックや甲状腺は、見つかっても見守り続けることが多いので、受けるかは自分で決めます。

まずは、歯の定期検診と、40歳を過ぎたら大腸カメラから始めてみてください。