【外国人旅行者向け】日本の地方で病気になったら? 医師が教える当番病院の探し方と診察で驚くこと
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「日本の地方を旅行中に具合が悪くなったら、どこへ行けばいいの?」日本を旅する外国の方の疑問です。
私は僻地で内科医として働いていて、外国人を診察したこともあります。去年は世界中を旅して、自分が外国人の側でした。
最近は、日本人でもなかなか来ないような場所にも、外国人がかなり増えました。病気になったらこの人たちはどうするんだろう、と感じています。
この記事は、日本を旅行する外国人向けです。日本人にも参考になる所はありますが、健康保険があるので費用の計算などが違います。日本人向けには、別の記事でまとめる予定です。
この記事では、日本の地方で病院にかかるときに知っておくと困らないことを、医師の側から書きます。
結論
夜間や休日は、その日の当番の病院を AI に探してもらい、症状を書いた紙を持っていってください。 地方には専門の科も、英語を話せる医師もほとんどいない、という前提で動くと慌てずに済みます。
まず、日本人の私でも地方で焦った話をします。そのうえで、病院の探し方、医師との話し方、日本の診察で驚きやすいこと、診断書とお金の順に書きます。
日本人の私でも焦った

まず、地方では、その場に専門の科がないことがあります。日本語ができて医学の知識もある私でも、それで焦ったことがあります。
数年前、学生時代に、目にレンズを入れる ICL という手術を受けました。その数か月後、僻地の病院で実習していたときのことです。
ある朝起きたら、片目の前が真っ白で見えなくなっていました。手術を受けたばかりで心当たりがあり、正直怖かったです。最初は、レンズの位置がずれたのかと思いました。

実習先の病院に行くと、救急の当番は内科と外科の先生でした。眼科は特殊なので、先生たちも「どうしようか」という様子でした。
結局、手術を受けた病院まで、片道 2 時間ぐらいかけて戻りました。原因は目の中の出血で、手術との関係はよく分からないとのことでした。

後で調べると、目の中の出血は、手術で取り除かないといけないこともあるそうです。私は運良く自然に引いて、数年たった今もトラブルはありません。
慌てはしませんでしたが、「やばいな」とは思いました。日本人で医学の知識もある私でもそうなので、外国人ならもっと分からないはずです。

場合によっては、ドクターヘリもあります。それでも、ヘリの所まで動くのに 10〜20 分、飛んで 30 分ほどかかります。
これは外国人に限った話ではありません。僻地では、日本人も仕方ないと受け入れるしかないことです。
夜間休日は当番病院へ

次に、夜や休日にかかれるのは、その日の当番の病院だけと考えてください。当番でない病院では、医師が対応しないことが多いからです。
日本の救急は、一次・二次・三次と重さで分かれています。この分け方が世界共通かは分かりません。何でも検査できる大きい病院には、直接行けないことが多いです。

ふつうは、地元の診療所の医師や、中くらいの病院で診てもらうことになります。大きい病院に直接行ってもいいですが、待ち時間がかなり長くなります。選定療養費という追加のお金も取られることがあります。
当番の病院は、厚生労働省の検索サイトで調べても、大きい病院ばかり出てくる印象です。実際の情報は、地元の自治体の公式ホームページに「何日はここ」とまとまっていることが多いです。

ただ、ほとんどは日本語だけです。愛媛県の 20 の市町で調べたときは、英語の救急のページは 1 つもありませんでした。
ホテルの人が調べてくれるかもしれませんが、あまり分かっていないことも多いです。日本人でも、よく分かっていない人が結構います。
そこで、AI に調べてもらうのがいいと思います。例えば、次のように聞けば、たぶん教えてくれます。
(ホテルの住所)で体調が悪くなりました。この地域の〇月〇日の救急当番病院を、自治体の公式ホームページで調べてください。

受診の前には、電話することが多いです。直接行っても診てくれることはありますが、電話した方が無難だと思います。
ただ、日本語で話すのは難しく、病院の人も英語では分からないことがあります。電話は、泊まっているホテルの人にお願いしてもいいと思います。
救急車は、必要なときに使うなら基本的に無料です。自分の国でも病院に行くような状態で、やばいなと思ったら呼んでもらってください。
医師の英語は片言と思って

その病院で会う医師の英語は、片言だと思っておいてください。都会なら英語がペラペラの医師も多いかもしれませんが、少なくとも地方では違います。
片言の日常会話ならまだしも、医学の英語を話せる医師はほぼいません。英語を読む・書くはある程度慣れていますが、会話は難しいです。

なので、症状を前もって紙にまとめ、印刷して持ってきてもらえると助かります。その場で翻訳アプリを使ってもかまいません。
紙を作るときは、下の文をそのまま自分の AI に貼ってください。AI の質問に答えて穴を埋めれば、病院に渡す紙になります。
日本の病院を受診します。下の項目を埋めるために、私に 1 つずつ質問してください。
全部そろったら、病院に渡す紙として、日本語と英語を並べて書いてください。
年齢・性別:
話せる言語:
いつから、どんな症状があるか:
持病:
飲んでいる薬:
アレルギー(薬・食べ物):
妊娠の可能性(女性の場合):
日本の健康保険:あり/なし
英語の診断書が要るか(要るなら書式と、メールで受け取れるか):
泊まっているホテルと電話番号:
その紙は、電話をお願いするホテルの人に見せるのにも使えます。妊娠の可能性や診断書の項目は、このあと説明します。
CT は気軽に撮る

日本の診察で外国と違うのは、かなり気軽に CT を撮ることです。値段が安く、その日のうちにその場で撮れるからです。
CT は全額で 1 万 5000 円ぐらいです。日本人は健康保険で 3 割の負担なので、5000 円弱で受けられます。なので、結構気軽にパンパン撮ります。
日本の健康保険がない旅行者は、全額を自分で払います。保険の値段より高く決めている病院もあります。

困るのが、若い女性の場合です。CT は放射線を使うので、もし妊娠していたら、おなかの赤ちゃんが被ばくするおそれがあります。後々トラブルになりうるので、医師の間では口を酸っぱくして言われています。
そのため、若い女性には必ず妊娠の可能性を聞きます。問診票に書いてもらうこともありますが、一度は医師が自分の口で聞きます。
「妊娠はない」「リスクは分かったうえで撮ってよい」という言葉を聞いてから、カルテに書かないといけない事情があるからです。

私自身、これでトラブルになったことがあります。20 代ぐらいの外国人の女性が、お父さんと一緒に来たときのことです。
お父さんの前では言いづらいので、一度出てもらって本人にだけ聞くこともあります。ただ、それはそれでセクハラっぽく見えるかと思い、お父さんのいる場で聞きました。すると、だいぶ激怒されました。

私の英語がたどたどしくて、うまく伝わらなかったこともあると思います。女性の看護師さんがいれば同席してもらえますが、忙しくていないこともあります。
なので、こういう質問をされることは、前もって知っておいてもらえるとありがたいです。診察中にセクハラをするメリットは、ほとんどの医師にはありません。
診断書が要るか先に考える

最後に、英語の診断書は、本当に要るかを先に考えてください。手間のわりに、得にならないこともあるからです。
旅行者は、保険金をもらうのに英語の診断書が要ることがあります。私も旅行者だったので、それは知っています。ただ、慣れていない医師も多く、書式もよく分かりません。
欲しいなら、どんな書式の診断書が要るのかを伝えてください。その日のうちに出せないこともあるので、メールで送ってもいいかも教えてもらえると助かります。

診断書を出すこと自体にも、病院ごとに決まったお金がかかります。
正直、日本の医療費は、入院にならない限りそこまで高くありません。CT や MRI を撮っても、10 万円以下に収まることが多いです。それなら、診断書の手間をかけず、自分で払ってしまうのも手だと思います。
いくらかかったかは、医師に聞いても分からないことが多いです。医師は値段をあまり意識していないので、会計の事務の人に聞いてください。
当番を探し紙を持っていく

ここまでをまとめると、地方の病院には専門の科も、英語を話せる医師もほとんどいません。夜間休日は当番の病院だけが診てくれて、CT は気軽に撮り、英語の診断書は手間に見合わないこともあります。
具合が悪くなったら、当番の病院を AI に探してもらい、症状を書いた紙を持っていってください。 日本の地方の旅を、安心して楽しんでもらえたらうれしいです。